鍼灸について よくある質問

Q 鍼とはなんですか?

hari1鍼は「はり」と読みます。いわゆる針の形状をしているものもあるので「針」と書く場合もありますが、厳密には「針」とは異なります。

鍼には多くの形状があり、まさに針のような尖(とが)ったものから、先の丸いものまで、長さでは30センチもある長いものから、右図のような0.5ミリ程の短いものまで、多岐にわたります。

古代には古代九鍼というものがあって、用途に応じて使い分けがなされていましたが、現在では、そのうちの毫鍼(ごうしん・下図)というタイプの鍼が主に使われています。

hari2施術方法もいろいろで、注射針のように刺すものから、撫(な)でるだけのもの、皮膚表面に差し込んでシールで固定しておくものなど、さまざまです。

Q 鍼って痛くないんですか?

緊張でガチガチで、やっぱりこわくてダメ!という人から、この刺激がたまらん!もっとつよく!という人まで、鍼灸治療を受けに来られる人はほんとうに千差万別です。
恐怖心を持っておられる方はおそらく、注射針と同じように痛いものと考えておられるのでしょう。しかも、太い長い針が体にズーッと入ってくるなんて、想像するだけでも恐ろしい…と。
まず、注射針は直径約0.6〜1.2ミリ。日本の鍼(=和鍼)は、直径約0.12〜0.24ミリ。大ざっぱにいって、注射針のおよそ10分の1の細さです。とくに和鍼は細いので、基本的に刺入痛はありません。慣れてくると、刺す時よりも入ったあとの「響き(ひびき)」に意識が移ることでしょう。

Q 響(ひび)きってなんですか?

鍼のひびき(鍼響)。これこそが鍼治療の妙味で、西洋医学では説明のつかない領域です。いわゆる痛みとは違うんだけど、何と表現したらいいやら・・・(^^;)
ひびきは、得気(とっき)とも呼ばれ、ひびきを感じることで、気を得ることができます。ひびきは必ずしも必要というわけではありませんが、ある方が効果的です。
鍼のひびきには、酸(さん)・脹(ちょう)・重(じゅう)・麻(ま)という独特の感覚があります。とは、筋肉痛のようなダルい感覚、とは、ふくらんだような腫れぼったい感覚、とは、重く押さえつけられたような感覚、とは、しびれるような感覚を意味します。それらは、人によって、穴(ツボ)によって、日によって、体調によって変化します。こればかりは他にたとえようがなく、体感してもらう以外に方法はありません。
とは言っても、科学的に解明されている部分もあって、たとえば侵害刺激によって発生した興奮が、ポリモーダル受容器によって求心性神経を通り、中枢神経に伝達される云々・・先達の研究によって科学的に解明されている部分も案外多いのです。
どうしても響きが苦手な方には、皮膚表面だけを扱う皮内鍼(ひないしん)や円皮鍼(えんぴしん)があります。

Q 灸とはなんですか?

kyu1灸は「きゅう」と読みます。一般に「やいと」と言われたりします。
灸は、蓬(よもぎ)の葉から採取される(もぐさ・右図)を用い、その艾を燃焼させる熱によって治療する方法です。

施術方法として、直接皮膚にのせる方法もあれば、生姜や塩などの上に置いてするもの、熱くなれば遠ざけたり近づけたりする浮動的なものなどがあります。

kyu2最近では、台座の上に艾をのせた左図のようなタイプがよく使われます。このタイプは簡易灸と呼ばれ、艾が皮膚に直接触れないので、熱さを段階的に感じることができ、熱くなればすぐにはずせるという利点があります。

簡易灸は薬局でも簡単に手に入れることができ、外見的にはほとんど違いが見られないのですが、艾の質や内部構造には大きな違いが見られます。当院が採用している簡易灸は、きわめて火傷になりにくい構造となっており、安心して受けていただくことができます。
また灸には、艾を用いない方法もあり、漆や紅などで化学的刺激を与えるものや、電気によって熱を与えるものなどがあります。

Q 灸って熱くないんですか?

もぐさが皮膚の上で燃えるのですから、たしかに熱いです。
ところが不思議なもので、虚している方に何度かお灸していくと、この熱さが気持ちいいと仰います。不思議なのですが、これは本当です。反対に、実している方にお灸すると辛いこともありますが、いずれにしても米粒大かその半分の大きさですので、熱くても一瞬で終わります。熱いというか、チクッという感じです。
また前述のように、皮膚に直接触れないタイプの簡易灸もあり、徐々に熱くなるので、熱くなればすぐにはずすことができます。

Q 結局、鍼灸って体を傷つけるんでしょう?

そもそも、わたしたちは生きて動いているだけで細胞を破壊しています。食べる、歩く、仕事する、生きていくこと自体が細胞を破壊する行為なのです。たとえわずかに指を動かすことですら、細胞は破壊されます。スポーツはその最たるものです。つまり、細胞が破壊され、それを再生しようとする機能自体がからだを維持し、健康を保っているのです。
鍼灸は、意図的に細胞を破壊します。破壊といってもミクロレベルですが、ある場所を刺激=細胞を破壊することで、専門的にいうと侵害刺激を与えることによって、望む治癒を意図的に促進しているわけです。
前述のように、鍼の太さはごく細いものですから、破壊される細胞の数は注射の比ではありません。すぐ再生されてしまいます。
お灸の痕も米粒の範囲で、早い人で翌日、遅い人でも1週間位で消えてしまいます。灸痕が消える過程は細胞再生の過程であり、治癒の過程なのです。
さらに、細胞を破壊する数は最小限に抑えることができます。たとえ1本でも少ない鍼・灸に超したことはありません。下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、ではなく、いかに少ない刺激で最大限の効果を得るか、一粒で二度、いや三度おいしい、そういった穴(ツボ)を選択するのが鍼灸師の腕の見せどころです。

Q 西洋医学との違いは?

西洋医学は元々、海賊のケガを治すところから始まっていて、切った貼ったが得意です。病気に対する考え方も同様に、異常が発生したらそれを取りのぞくというのが基本にあります。
そして、こういう状態にはこういう病名とし、こういう処置をするというマニュアルが決められ、それに基づいて治療が行われます。たとえば、咳・くしゃみ・鼻水などがあると風邪、風邪にはこの薬、といった具合です。つまり、すべて病名が基本となり、すべての人に同じ治療がなされます。
東洋医学では、中庸(=過不足なくバランスがとれていること)が良しとされ、病気はこのバランスを欠いた状態であると考えます。バランスが取れていれば健康、バランスがくずれて虚か実のどちらかに傾くと病気、という具合です。虚とは足りない状態をさし、実とは余分なものが入り込んでいる状態をさします。
また、からだには経絡というネットワークがはり巡らされていると考え、各経絡の流れがスムーズに運行しているかどうかを診断します。たとえば、この人の場合は気の運行のどこそこが滞っているからこういう症状となって現れている、と診断します。
このように東洋医学では、同じ症状でもそれぞれ原因が異なるので、アプローチの方法もまったく変わってきます。西洋医学は病気を見、東洋医学は人を見る、と言われる所以がここにあります。
ですが、どちらの方がよいということではなく、どちらにもすぐれている点があります。怪我や骨折など、急性の外科疾患などは西洋医学の方がすぐれているでしょうし、慢性的な疾患や不定愁訴のような原因が特定できないものなどは、東洋医学の方がすぐれているでしょう。
状況に応じて使い分けたり、併用したりして、自分に合った治療法を見つけることが大切です。

Q 鍼灸の適応する疾患にはどんなのがありますか?

内科、産婦人科に限らず、鍼灸治療の適応範囲は多岐にわたります。肉体的なことだけでなく、精神的なことも同時に対応できてしまうところが、鍼灸治療の卓越したところです。
ただし先に申し上げたように、怪我や骨折などの急性疾患は、西洋医学の方を優先した方が早いでしょう。
くわしくは鍼灸適応疾患例のページをご覧ください。

Q 中国の鍼灸は有名ですが、日本の鍼灸と違いはありますか?

鍼灸は元々、いまの中国から伝わってきたのですが、六世紀に日本へ伝来してからは、独自の発展を遂げました。
まず、刺入技法として、日本独自の技法が編みだされました。それは天皇を治療することに端を発します。天皇を治療する際に、痛みを覚えさせてはならないという要請から、試行錯誤がなされました。そしてついに、管鍼法という日本オリジナルの技法が編みだされ、限りなく無痛で刺入することができるようになりました。そして、この管鍼法によってより細い鍼を使うことができるようになり、さらに無痛へと近づけることができました。
以来日本では、この管鍼法が標準となりました。管鍼法は現在、世界標準になっています。一方、中国鍼は、注射針のように刺すため、刺す時にたわまないよう、太くできています。
つぎに、施術方針ですが、中国では文化大革命後、西洋医学の影響を多大に受け、古典があまり重視されなくなりました。一方、日本では、今も古典に基づいて治療が行われています。地元中国が古典を重視せず、日本が古典を重視するというのは矛盾した話ですが、それが現実です。中国の事情はここでは割愛しますが、なぜ日本ではそこまで古典を重視するのか。それはおそらく、原典をどこよりも深く研究し、臨床的な価値を見出しているからと思われます。
日本人は不思議な民族で、オリジナリティがない代わり、すでにあるものを発展させる能力は他に類を見ません。産業大国日本。電子立国日本。元のアイデアさえあれば、諸国はみな日本にお株を取られてしまいます。
鍼灸も然りで、中国が本家とされているにもかかわらず、日本人は鍼灸を完全に自家薬籠中のものにし、発展させてきました。世界一器用な民族、日本人が発展させた日本の鍼灸、ほんとうに素晴らしいものがあります。

Q 鍼灸師とはどんな資格ですか?

鍼灸師は「はりきゅうし」または「しんきゅうし」と読みます。「はり師」と「きゅう師」はそれぞれ独立した国家資格で、鍼灸師はその両方を有しています。
鍼灸師は、三年以上の専門教育を受けた後、国家試験を合格した免許保持者です。日本においては、医療類似行為として国に認められている資格の一つで、医業と同等とみなされた判例もあります。
鍼灸師は、鍼と灸を施術できる唯一の資格者(医師を除く)で、他の何人(なんびと)もこれらを施術することは法律で禁じられています。

Q 鍼灸師を選ぶポイントは?

前述のように、東洋医学と西洋医学では考え方もアプローチも大きく異なります。陰陽があり、虚実があり、経絡があり、それらに基づいて治療がなされます。そこが辛いからといって、そこに刺すわけではありません。
このような東洋医学的見地から診断することができ、各人に合わせた治療方針を立てることができ、施術できる鍼灸師がよいでしょう。ためしに、なぜそのツボを選んだのか、どういう診断に基づいて治療するのか聞いてみましょう。きっと答えてくれるはずです。また鍼灸においては、男性には女性の鍼灸師が、女性には男性の鍼灸師が適しています。

Q 鍼灸師は異性の方がよいのはなぜですか?

治療方針にもありますように、鍼灸では陰陽や五行にもとづき、治療がおこなわれます。とくに陰陽は鍼灸の根幹をなし、そのバランスをはかることが治療となります。陰陽でいうと女性は陰、男性は陽で、それをうまく利用し、磁石のN極とS極のように、バランスのとれた状態で気の操作を行うことで、より高い治療効果が期待できます。このため、男性には女性の鍼灸師が、女性には男性の鍼灸師が適しているわけです。鍼灸の歴史にもありますように、日本において鍼灸は歴史に翻弄された経緯があり、あまり語られない部分ではありますが、より鍼灸を知っていただくために記しました。ただし、鍼灸以外の療法については、この限りではありません。

Q 鍼灸師によって治療方法に違いがありますか?

はい。診断からツボの選び方、技法にいたるまで、治療方法は鍼灸師の数だけあると言っても過言ではありません。そこが西洋医学と決定的に違う点です。

Q 鍼灸院を選ぶポイントは?

日本で鍼灸を受ける際、健康保険(社会保険)が適用できる所と、そうでない所があります。保険がきく所としては鍼灸整骨院などがあります。保険がきかない所としては、鍼灸院などがあります。
保険がきく所は、安価で受けられる分、たくさんの患者を診ることで経営が成りたっていますので、時間的な制約があります。一方、保険がきかない所は、実費がかかる分、時間的な制約を受けず、本来の施術を受けることができるはずです。
慰安を望むか、医療を望むか、それによって使い分けるとよいでしょう。

Q どこで受けることができますか?

ルーナファームへの出張治療に対応しておりますので、そちらで受けていただくことができます(完全予約制)。初回はご予約フォームにて承ります。お問合せにつきましては、お問合せフォームからお願いいたします。

Q どれくらいのペースで受ければいいですか?

これも保険適用かそうでないかによって変わってきます。前述の通り、保険治療ではたくさんの患者を診ることで経営が成りたっていますので、毎日のように通院していただくことが前提となります。
実費治療の場合、そういった必要はありません。当院で推奨しているペースは、急性の場合をのぞき、月に数回程度をお薦めしています。急性の場合はケースバイケースで、その時々に応じて判断させていただきます。美容鍼灸の場合も月に数回程度をお薦めしています。

Q 不妊症・未妊症に鍼灸が効くというのは本当ですか?

はい。当院でもたくさんの方が妊娠・出産されています。不妊症の原因は、人によってまったく異なり、その人のその時に合わせたオーダーメイドの治療が必要となります。
西洋医学における不妊・未妊治療では、投薬を余儀なくされることが多く、それに伴う副作用を避けて通ることはできません。鍼灸には体毒を排出させる方法があり、副作用を軽減させ、投薬のいい面だけを生かすことができます。
また、鍼灸治療の大きな目的の一つに、体質改善があります。たとえば、冷え性の場合、冷えは身体のすべての機能を低下させるので、妊娠に向けてこれを改善する必要があります。鍼灸治療では、気・血のめぐりを良くするので、結果的に冷えが改善されることになります。
このように、不妊・未妊治療をおこなう場合、並行して鍼灸治療を受けられることで、妊孕性を高めることができます。

Q 不妊専門と聞いたのですが?

不妊治療として来られる方はたくさんいらっしゃいます。先にもありますように、鍼灸は内科、産婦人科に限らず、適応範囲は多岐にわたり、不妊治療以外の方も来られています。
なお、当院の妊孕鍼灸では、これに特化した治療を行いますが、必ずご本人にも協力をいただいています。からだを冷やさないようにしたり、食生活を改善したり、ストレスを軽減したりと、ご本人の自覚と努力と共に、妊娠、出産をサポートします。

Q CSTを併用するのはどうしてですか?

すべての方を対象としているのではなく、併用が適していると診断した場合に限ります。当院では鍼灸治療にCSTを併用することにより、著効を示す実績を長年にわたり積み重ねてきました。認定機関であるUIのアプレジャー医師も、CSTと鍼灸はとても相性がよいと仰っています。
また、CSTにおける重要な調整ポイント、仙骨を調整することにより、生殖器によい影響を与えることで、不妊症・未妊症を含む婦人科系疾患に良い結果をもたらしています。またエナジー的にも、仙骨は第1〜2チャクラの位置にあり、生殖機能を高めることになります。
併用に際しては、インフォームド・コンセントのうえ施術させていただきます。鍼灸とCSTの配分は、ご要望または診断によります。